投士A: |
夕顔の見立てって、蝶を夕顔の花に見立ててるって言うけど。 |
投士B: |
光源氏が病気の乳母を見舞に行った際に、近くの家に夕顔の花が咲いているのを見て、召使に1本取って来いっていう。召使がその家の人にことわって貰ってこようとすると、夕顔の君が召使に香りを十分に焚き込んだ扇子を渡して、これに載せて差し出すようにと言うわけ。 |
投士A: |
風流やね、でもその女をほとんどかどわかし同然に連れて帰って、それが一晩で死んでしまう。話の展開が無茶苦茶極端やな。 |
投士B: |
それも六条の御息所の怨念に殺される。死んだ女の怨念ならいざ知らず、まだ生きている女の怨念に殺されるところがすごいね。
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投士A: |
それまで住んでいた五条の家から、身分の高い人が住んでいた空家にいきなり連れて来たら、管理人がその屋敷を片付けて迎え入れるのだから、それもすごい!臣下に落とされたといえども、帝の子というのは何でもアリやね。 |
投士B: |
「都名所図絵」(安永9年(1780年)刊行)によると「源語伝説五條邊 夕顔之墳」と書かれた石碑が京都の堺町通り高辻下ルに書かれてあり、その石碑は今でも建っているとか |
投士A: |
ところで、夕顔の花って見たことある?源氏物語の中では貧乏人の家に限って咲く花と書いてあるけど。 |
投士B: |
夕顔って干瓢のことでしょ。花は見たことないな。 |
投士A: |
それはウリ科の夕顔。熱帯アジアの原産で大きな実のなるやつ。この夕顔はそれではなくて、ヒルガオ科の夕顔で、夜顔の別名。ヒルガオ科の植物で朝顔と同様に遣唐使によって日本にもたらされたらしい。 |
投士B: |
なんや紛らわしいなぁ。 |