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箒木と空蝉

ここは、茜連の例会場所にもなっている居酒屋「生命体倶楽部」。

仕事の終わる時間になると、三々五々と投士達が集まってきます。茜連の人も赤坂連の人たちと、投げる訳でもなく酒を酌み交しながら投扇興談義に花を咲かせています。

まじめな見立ての話は他のHPに譲るとしてここでは酔いが回るのに従って話題も浮世話が中心になってくるようです。どうやら源氏物語はそんな題材に事欠かないようですね。

ちょっと話の内容に聴き耳を立てて見ましょう。

箒木(ははきぎ)と空蝉(うつせみ)
箒木 空蝉
投士A: 茜連の三島さんってやたら箒木を出すよね。箒木ってのは要はほうきのことだから、枕の上にすべてが乗っかっているのをほうきに見立てているのかな。
投士B: 箒木の帖ってのは、源氏の君が伊予の守の奥さんをやっちまう話でしょ。そうなるとやはり、枕の上で奥さんを押し倒しているので箒木と見立てていると思いたいな。
投士A: じゃ、空蝉は?空蝉も伊予の守の奥さんの話だけど。
投士B:

空蝉の帖は箒木の帖の次で、伊予の守の奥さんに味を占めた源氏の君が再度しのんで行ったんだけど、伊予の守の奥さんが気配を察知して逃げ出していない。仕方がないから奥さんと一緒にねていた親戚の娘がいたから、これでいいやって話でしょ。
空蝉って箒木が出そうで勢いが余った時などに、たまに出るよね。要するに箒木の勢いが余ったのが、空蝉ってことかなあ。

投士A: 源氏の君を避けながらも、実は憎からず思っているところが、なんとも羨ましいなぁ。ところで源氏物語ではこの巻を何で箒木となづけたのかな。伊予の守の奥さんと箒って何の関係があるのかな。
投士B: 箒木って植物あるでしょ。別名箒草とも言って乾かして箒にする。秋田の名産で畑のキャビアとも呼ばれる珍味の「トンブリ」はこれの実なんだけど。それとは全く関係なくて、長野県に阿智村というところがあって、そこに箒木と呼ばれる檜の老木がある。幹が二股に分れていてその先が箒のように広がっているから箒木と呼ばれているんだが、この木が遠くから見るときわだって見えるのに、近くに行くとどの木だかわからなくなるというので、「新古今和歌集」や「源氏物語」をはじめ歌や物語に取り上げられている伝説の木だそうな。
投士A: 遠くからは見えるのに近くからは見えないのか。やっぱり空蝉と通ずるものがあるなぁ。で、トンブリって食べたことある?
投士B: ない!生命体倶楽部にはあるかなぁ。寺菴さぁーん、トンブリひとつ!
箒木(別名:箒草)
これではないよ
トンブリ
(畑のキャビア)
箒木

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